長寿祝いに還暦(かんれき)は、よく聞きますね。
「とうとう還暦をむかえたぞ」
「来年で60歳、還暦になるなぁ」
なんてセリフ。
長寿祝いにはほかにも、古希(こき)や喜寿(きじゅ)傘寿(さんじゅ)があります。
あなたは古希や喜寿・傘寿の年齢や、由来と意味を知っていますか?
古希や喜寿・傘寿といった言葉は、聞いたことはあるけれど意味は知らない。
何歳にどの名称のお祝いかは分からない。
そんなあなたのために、長寿祝いについて解説します。
長寿祝いにはそれぞれ名称と年齢・意味(由来)があります。
長寿祝いで使う年齢には、満年齢と数え年があります。
満年齢と数え年、どう違うのでしょうか?
年齢を聞かれると
「20歳です!」
と答えますよね。(20歳ならですよ!)
通常私達が意識しているのが満年齢で、一般的に使われる年齢の表し方です。
私達は誕生して一年目を、一歳と数えていきますよね。
ですが数え年は生まれた日から一歳と数えていき、元旦に年をかさねます。
ちょっと難しいですが。
あなたの数え年を知る計算方法は…。
誕生日から12月31日までは満年齢+1歳。
元旦から誕生日前はでは、満年齢+2歳となります。
長寿祝いは本来、数え年の誕生日に祝うものでした。
ですが今は還暦だけが数え年、他は満年齢で祝う事が多くなっています。
長寿祝いの解説
長寿祝いの年齢や、由来を書いてみます。
還暦(かんれき)…61歳(満60歳)
六十年で十干十二支(じっかんじゅうにし)簡単に言うと干支が一巡することから、もとの暦(こよみ)に還る(かえる)。
赤子に戻り、もう一度生まれ変わって出直すという意味。
そのため、赤いちゃんちゃんこを着る事が多いです。
還暦の長寿祝いの色は、赤か朱色。
古希(こき)…70歳
中国の詩人、杜甫(とほ)の詩の一説より「人生七十古来(こらい)稀(まれ)なり」が由来。
「人生七十歳まで生きる人は、古来より稀である」という意味。
今は七十歳だと、「まだ若い」というイメージです。
ビートたけしさんが、72歳ですからね。
古希の長寿祝いの色は紫。
喜寿(きじゅ)…77歳
上記の文字が「喜」の草書体になります。
(※字が下手なのはご勘弁ください。)
喜の草書体の上の部分が「七」、左下が「十」、右下が「七」と見えることから、七十七歳が喜寿のお祝いになったのです。
喜寿の長寿祝いの色は紫。
古希と喜寿の長寿祝いの色は、同じなんですね。
紫は高貴な色と言われますから、古希や喜寿を迎えると、人としてランクが上がるのかも。
ちなみに還暦と古希は中国が発祥の由来に関係していますが、喜寿は日本発祥の長寿祝いです。
傘寿(さんじゅ)…80歳
傘の略字の「仐」が、「八」と「十」に見えることに由来。
長寿祝いの色は金茶。(明るく黄色かかった茶色)16進表記:#E0861A
長寿祝いには傘寿の80歳以降にも、米寿(べいじゅ)88歳や卒寿(そつじゅ)90歳などが続きます。
ちなみに米寿は、「米」を分解すると「八」「十」「八」になることに由来。
卒寿は「卒」の略字の「卆」が、「九」と「十」に見えることに由来しています。
長寿の祝い方は地域によって、逆に厄年として厄払いをおこなったりもします。
また祝うことによって次のお祝いができなくなると言われ、やらないこともあるそうです。
その土地の風習によって、お祝いの仕方も違うんですね。
還暦・古希・喜寿・傘寿などのお祝いがあるのは?
長寿を祝福することで、周りも健康で長生きにあやかろうという意味あいがあります。
元々は中国の儒教の教えで、敬老思想(老人を敬う考え)の影響です。
老人を敬う考えが日本でも広まり、現在にいたったと考えられます。
今では還暦(かんれき)にあたる60歳は、まだまだ若い印象です。
元気で活発にスポーツしている方も、いらっしゃるくらい。
しかし医療が進歩していなかった江戸時代など、還暦(かんれき)を迎える年齢は珍しいことでした。
長生きすることが、むずかしかったんです。
そんな時代、健康で長寿は憧れだったのでしょう。
昔の還暦祝いは、盛大に行われたといいます。
それが古希・喜寿・傘寿となったら、さらに珍しかったのではないでしょうか。
お祭り騒ぎだったかもしれませんね。
祝う方は老人に敬意を表し、祝ってもらう方は長生きしたことへ感謝する。
若いときには老人を祝い、自分が老人になったら祝ってもらう。
人の長寿への憧れが、長寿祝いにつながっているのでしょう。
長寿の方を敬う
健康で長生きする方を尊敬する気持ちは、あなたも持っているでしょう。
おじいさんやおばあさんから聞く体験談は、とても貴重ですよね。
昔から地域の語り部と呼ばれる方や、長老と言われる方がいます。
歴史にのってないような言い伝えや伝承、俗説を話される人。
長寿でつちかった長い経験から、昔の習わしを教えてくれます。
あなたも聞いたことがあるのでは。
私は以前に旅行先で、1人のおばあさんに出会いました。
私があったおばあさんは観光マップにのっていない、その土地の風習やおとぎ話を教えてくれたのです。
おばあさんのお陰で私は、訪れた土地に愛着を持つことが出来ました。
私にとっておばあさんと出会った旅行は、いまでも忘れられない良い思い出です。
もし観光マップを作成する人が、地元の老人の話に耳を傾けることができれば。
きっと旅行者にとって、より良い観光マップが出来るでしょう。
年長者の存在が、私達に与える影響は大きいですよね。
身近なおじいさんおばあさんが、生活の知恵や豆知識を教えてくれませんか?
長く生きているからこそ、一つ一つの言葉や経験談におもみを感じます。
私達も年長者を敬うことで、同じように人の役に立つ人間に成れるといいですね。