絵画で有名な日本の現代アーティストとは?

現代アートをご存知ですか。

あまり美術館に足を運ぶことがなくても、現代アートという言葉を、耳にしたことがあると思います。

ですが実際に、現代アートの作品を前にすると、

「何が言いたいのかよくわからない」

「何を伝えたいの?」

といった疑問をもつことはないでしょうか。

現代アートは、考える芸術です。

現在活躍中のアーティストの作品への想いを基に、現代アートとは何か考えていきたいと思います。

現代アートで有名な日本のアーティストは?

日本の現代アートで有名なアーティストを、3名紹介したいと思います。

草間弥生(クサマ ヤヨイ)

草間弥生といえば、水玉模様とかぼちゃが有名なアーティストですよね。

一度は、目にしたことがあるのではないでしょうか。

彼女の作品は自身の病気による幻覚や幻聴から、自身を守るために生み出されました。

絵画以外にも彫刻やパフォーマンス、環境インスタレーションといった幅広い分野で活躍をしてきています。

故郷の長野県松本市美術館や瀬戸内海の直島といった日本のあらゆる所に、野外作品が飾ってありますよ。

奈良美智(ナラ ヨシトモ)

奈良美智は青森県出身の画家であり、彫刻家です。

作品を観ている人を睨みつけているような、鋭い眼差しをもった女の子をモチーフにしています。

子どもの毒をもったような一面と、子どもらしい純粋さを含んだ作品は、海外でも人気です。

大人や権力のある人達が、世の中の中心となっていることに対する不信感を、表現しています。

村上隆(ムラカミ タカシ)

村上隆も絵画や彫刻、ファッション、アニメーションといった様々な分野で活躍しています。

2002年には高級ブランドのルイ・ヴィトンと、コラボレーションもしました。

明るい色調で、可愛いアニメ風のキャラクターが出てくる作風です。

これは、日本画のフラットな浮世絵や琳派(りんぱ)といった伝統芸術と、近代のヲタク文化やポップカルチャーを一体化した様子を表現しています。

3人の作品を観ただけでは、作品のメッセージ性を感じることは難しいです。

どんなメッセージが含まれているのか、あなた自身が考えを巡らせる必要があります。

現代アートとは?

現代アートは、現代の社会的な問題点や情勢を基に、社会や美術史への批判を表現しています。

今生きている人たちが感じている心情をアートにし、社会に提示しているのです。

そもそも現代アートは、マルセル・デュシャンの作品から始まりました。

男性用小便器に自身のサインを描き足し、「泉」というタイトルで作品を世界に発表したのです。

今までの美術の歴史の中で大切にされてきた、美に対する考え方に疑問をぶつけました。

アートは自由の象徴です。

しかし自由である表現の中に、実は美へのルールが存在したことを世間に痛感させました。

ここから、アートの根本的な考え方に変化が起こります。

美しさを追求するのではなく、社会の常識に一石を投じる作品作りへと移り変わっていくのです。

そこから規定概念に囚われない現代アートが、注目されるようになっていきました。

過激な作風も多い現代アート

社会の常識を批判する意味合いが強い、現代アート。

その作品の中には、過激すぎる表現も存在します。

会田誠(アイダ マコト)の作品は、よく問題視されてしまいます。

「取り扱い注意の画家」

とまで言われている程。

しかし、賛否両論の会田誠の作品には、厳密に考え抜かれた構成がされています。

浮世絵や日本画の伝統的な要素から始まり、漫画やアニメーションといった現代の文化が反映されているのです。

とはいえ、作品の過激すぎる表現から、最近では訴えられるニュース報道もありました。

現代アートは、社会に疑問を投げかける作品です。

その為、表現が過激的なものも多く存在します。

美術館に足を運ぶ前に、どのような作品を展示してあるのか確認するといいかもしれません。

日本の有名な現代アーティストと現代アート

草間弥生、奈良美智、村上隆は、日本を代表する現代アーティストです。

現代アーティストたちは、個々が感じている現代社会の問題を、作品を通じて可視化しています。

現代アートは、社会の在り方を批判する要素が強いです。

その為、ただ絵を見つめるだけでは、作品が示す意味に気づくことができません。

作品から自分で考え、答えを導き出すことが必要です。

それが、

「現代アートは難しい」

と思われる理由でもあります。

絵の解釈は人それぞれなので、正解はありません。

「現代アートは意味が分からない」

という前に、なぜこの絵が描かれたのかじっくりと考えてみると、面白さが見えてくると思いますよ。